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Design it!

Design it!』を読んだ。
以前の日記に書いた通り、ソフトウェアアーキテクチャの基礎に書いてある内容よりさらに基礎的なアーキテクチャに関する知識を学びたくて読み始めた。 想像していたよりも具体的なアーキテクチャに関する記述が少なく、アーキテクトとしての仕事や適切なアーキテクチャをデザインするための手法について網羅的に書いてある本となっていた。

本の中では、『理解』『探求』『作成』『評価』という4つのデザインマインドセットとそれに対応するプラクティスを活用しながら、ステークホルダー(ビジネスの要件について責任を持つ人からユーザー、そして開発チームのメンバーまでプロジェクトに関わるあらゆる人々を指す)と共によいアーキテクチャをデザインする方法を説明している。
それぞれのプラクティスに対して実際に手を動かすための演習が用意されていたり、サンプルプロジェクトを通して物語形式で実際にチームが課題を理解していく過程や問題を解決していく過程を体験できるような構成になっていて、実際にこういう場面で使えそうだなというのが具体的に浮かびやすかった。
アーキテクトと開発者に大きな違いはなく、ソフトウェアを開発する人ならばだれもがアーキテクトとしての設計判断をしているはずだというメッセージを主張していて、最終的にチームのアーキテクト力を高めるためのプラクティスまで紹介されていたのがとてもよかった。

第Ⅲ部がアーキテクトの道具箱という題で、プラクティスの総集編という形になっている。設計の意図を適切に伝えるためのドキュメントの書き方や設計に行き詰った際に使えるワークショップなどが網羅的に紹介されているので、繰り返し参照しながら身に着けて行きたい。