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iOSDC Japan 2025にオンライン&アーカイブメインで参加したらとても良かった

最近仕事でモバイルアプリを触る機会が増えたこともあり、iOS関連の国内カンファレンス「iOSDC Japan 2025」に参加してみました。
自分は子育て中かつタイミングの問題で今回はオフライン参加が難しかったのですが、カンファレンスにオンラインメインで参加する体験がとても良いことに気づいたので感想を書き記しておこうと思います。
iOSDC Japan 2025は3日間開催されており、前述の通りオフライン参加が難しい&リアルタイムにも見れないという状況だったので、今回は完全にオンライン&アーカイブで見るという方針で参加してみることにしました。
事前準備としてはオンラインのチケットを購入&気になるトークをリストアップしておきました。
アーカイブメインで見る時に忘れずにやらないといけないのはニコニコ生放送のタイムシフト予約です。
iOSDC Japan 2025はニコニコ生放送で配信が行われており、後から放送を見返すにはタイムシフト予約をする必要があります。
これは配信が始まる前に行う必要があるので、視聴に必要なシリアルコードがメールで送られて来たらすぐにやると良いです。
また、プレミアム会員じゃないとタイムシフトの予約件数に上限が存在するのも注意です。
自分は聴きたいトークをあらかじめ絞り込んでいたので上限内に収まる形で予約を行うことができました。
タイムシフト予約までしておけば、あとは各トークを試聴するだけです。
forteeの各トークに記載されている「ライブ動画を見る」ボタンを押せば各トークのTrack&開始時間に飛ぶことができるのでスムーズに視聴することが可能です。この体験がめっちゃ良い。配信の演出や音声・映像もとてもクオリティが高くて見やすいです。
視聴に関しても、ニコニコ生放送の機能で倍速再生ができたりするので、自分は1.25倍速でめっちゃ集中してみるというスタイルでみました。(本当はトークの雰囲気等含めて等速でみたい...)
ちょっと理解できなかったところはすぐに戻したり止めたりできるので、オフラインでみる時と顕色ない形で理解を進めることができたと思います。
聴いたトークと感想
半自動E2Eで手っ取り早くリグレッションテストを効率化しよう by Ryuta Kibe
Done is better than perfectの精神でE2Eのリグレッションテストを半自動化したというお話でした。
提供しているアプリ特有の機能によりSaaSによるE2Eテストのさまざまな課題があり、運用開始まで至らなかったという話から、自分たちに必要なものをすぐに運用に乗せて段階的に用意していくというアプローチで実現するに至ったというのが印象的でした。
最初から完璧を目指して使われるまでにすごく時間がかかってしまうというのはあるあるだなぁと共感しましたし、実際にとったアプローチや技術選定もとても参考になりました。
手動でしかできないところは手動でやると割り切る判断をしたりしているのがいいなーと思いました。
AIを活用したレシート読み取り機能の開発から得られた実践知 by 岩名勇輝
レシート読み込み機能に関して、クライアント側で行われるさまざまな工夫についてのトークでした。
解像度あげようとか確かにそうだようなーという話を始め、ユーザーのデバイスと被写体の距離を確保するためにズームを利用する話や、レシートを検知するタイミングの計算方法の話は「へーーー!」って思いました。
Foundation Modelsについての話も興味深く、ローカルLLM触ってみようかなと思えるトークでした。
あなたの知らない「動画広告」の世界 〜実装して理解する動画広告のしくみ〜 by ukitaka
自分がよく触るアプリはどちらかというと広告を出すメディアという感じで、直接動画ビューアなどを触る機会はないのですが、動画広告を流したり、普段よくみるものなのでその辺りの仕組みが知れると面白そうだなと思い聴きました。
動画広告が実際に流れるまでの流れや、その仕様など興味深い話が多かったです。
よく広告関連のエンジニアが口にするVASTというものが何を指しているのかを理解できなるほどなぁと思いました。
ウォンテッドリーのAI活用:開発現場での取り組み
モバイルチームの仕事の様子を始め、どのようにAIを活用して業務を行っているかを網羅的に知ることができました。
1日を技術負債返済Dayとして、AI縛りでコーディングしているという話は良さそうだなと思いました。
ユーザー数10万人規模のアプリで挑んだトップ画面のUI刷新 by 小林 俊哉 (とち)
まず、ネイティブとWebViewが混在しているトップ画面の説明から「わかる...」という気持ちになったり、ビジネス上必要なものとして新画面への移行に取り組めているのがとても良いなと思いました。
初めから大規模な刷新にならないようにデザイン検討をしたり移行を進められていていいなと思いましたし、社内やユーザーからのフィードバックを集められるようなリリースフローを設計し実践されているのがとても参考になりました。
TCAによる実装により、ステートで画面の状態を管理できるので並行稼働がしやすかったという話もありこちらも参考になりました。
5000万ダウンロードを超える漫画サービスを支えるログ基盤の設計開発の全て
大規模アプリのログ基盤移行のお話でした。
移行自体やシステム要件をもとにログライブラリを設計し、そのアーキテクチャも洗練されていてすごかった。
当たり前のことなのかもしれないですが、ログはメインスレッドをブロックしてはいけない、軽量で通信量や電力消費も気にかける必要があるという話はモバイルアプリの開発の思想をまだしっかり理解していない自分にとって「確かに!」という発見がありました。
移行作業が根性だったのは大変そうだなという思いと同時にとてもいいなと思いました。わかる...。
ただの作業として終わらせず、見直しやリファクタのタイミングとしてとらえるというのもめっちゃ強い...と思いました。
『ホットペッパービューティー』のiOSアプリをUIKitからSwiftUIへ段階的に移行するためにやったこと
SwiftUIの導入に関して、実際に起こった様々な課題とどう対策を行なったかという話でした。
今後SwiftUIを導入するにあたって同じような課題にぶつかることもありそうだなという内容が網羅的にお話されていてとても参考になりました。
印象的だったのは、SwiftUIは技術の話ですがそれぞれの課題はビジネスや協業に関してのものが多く、良いプロダクト開発に向き合った結果生まれる課題にきちんと向き合っていた点です。
移行自体でやることもたくさんある中で、そのような視点で課題解決に向き合えているのはすごいなぁと思いました。
スナップショットテストの実際の利用ツールなども紹介されており、すぐに試してみたいなと思う内容も多くありました。
少人数体制を実現するモバイルアプリ開発のDevEx改善
開発者体験が良いプロダクト開発につながるという話にとても共感しました。
実際、自分たちが触っていて良いと思えるプロダクトの方が改善や価値提供の熱量も高まるよなぁと思いました。
開発環境の自動化に関しては、各種ツールのバージョンアップまで気を使っているのが良いなと思いました。
新しいメンバーの使っているツールのバージョンが違っていて動かないとかはよくある問題かなと思うので、そういったものにもいい感じに対応できそう。
自動テストに関してはStateを流し込めばさまざまな状態のテストが可能だということで、やはり状態を明確に定義できるようにすることはUIのテストのおいて重要なのだなとわかりました。
CI/CDに関しても、検証アプリ配布の工夫など参考になるお話が多かったです。
おわりに
これまで、オフラインで参加できない場合は後日公開されるアーカイブを見れば良いか、としてしまうことが多かったのですが、熱量が高いうちにアーカイブを追うというのも楽しいなと思いました。
forteeや各種ツールを使った視聴の体験がとても良かったので、今後も機会があればオンラインでのカンファレンス参加もどんどんしていきたいなと思いました。(オフラインも行きたい!)